フリーサポーターの高橋千尋です。2017年3月12日(日)、さくらホール小ホールにて「KIDSART（キッザート）子どもの舞台芸術体験事業ダンス発表会」を鑑賞しました。最初から最後まで子どもたちが踊ったり走り回ったりしていて、弾けるようなパワーに圧倒されてしまいました。

   主な講師は、ダンスカンパニー「Ｃｏ.山田うん」から、山田うんさんと川合ロンさん。私も一度、Ｃｏ.山田うんの公演を観たことがあるのですが、国内外で活躍するお二人と一緒にダンスに取り組めるなんて、羨ましい限りです(私が小学生だったらなあ……)。

   自分からどんどんアイデアを出して周りを巻き込む子、少し恥ずかしがりながらも踊り始めると楽しそうな子など、一人ひとり様子が異なっていて目で追いかけるのがとても楽しかったです。私は発表会当日しか観ていませんが、一年間でそれぞれの成長があったのだろうな、と感じました。

   数年前、小学生対象の演劇ワークショップの手伝いをした際に、「演劇をする際、お互いの年齢や学年を知ることで、その関係性が崩れてしまうことがある。」と講師の方が仰っていたのを、今でも折に触れて思い出します。余計な情報によって関係性が崩れてしまうのは、演劇に限った話でもないのかもしれません。子どもたちが普段所属している学校では、限られた人間関係のなかで長い時間を過ごし、自分の見せ方や立ち位置が段々と固定されてしまいます。そうしていくうちに、ある意味崩れたコミュニケーションが構築され、窮屈さを感じている子もいるのではないでしょうか。そういった子たちにとって、学校や学年が異なる子が集まりダンスに取り組むKIDSARTは、ぎこちない人間関係から離れ、新たな仲間と関係性を築くことが出来る大切な居場所になったのではないかと思います。

   20日にもKIDSART（今度は合唱）の発表会があるので、出来る限り見学してみようと思います。